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政府は、今の景気拡大局面が「いざなぎ景気」を抜いたと発表しました。しかし成長率はわずかであり、また内容は大企業を中心とした輸出と設備投資の数字によるものであって国民の暮らしを反映したものにはなっていません。それは財務省の法人企業統計で、この10年間の経常利益は2倍になっている一方従業員給与は横ばいという数字に現れているように、一般の国民にはそうした景気回復の実感がないばかりではなく、国民の暮らしの実態は「格差社会」「ワーキングプア」などの言葉に象徴されるように新たな貧困層が大きく拡大しています。
小泉内閣が「構造改革」として進めてきた「新自由主義」経済路線、すなわち大企業の利潤追求を最優先にし、規制緩和と市場経済万能の弱肉強食の経済路線に基づく政治が日本経済と国民生活の矛盾をあらゆる分野で深刻にしました。雇用と所得の破壊、中小零細企業の倒産・廃業・経営難が進むもとで貧困と社会的格差のあらたな広がりが重大な社会問題になっています。庶民大増税は税負担能力に応じた負担と所得の再分配という税制の民主的原則を根本から破壊しつつあり、また、社会保障は医療、年金、介護、障害者支援で連続的な改悪が進められています。社会保障はほんらい人間らしい暮らしの支えになるべきものですが、それが反対に人間の尊厳を踏みにじるものにされつつあります。こうした国の政治のもとで、「勝ち組・負け組」を当然視し、社会的弱者にたいする攻撃に痛みを感じない風潮がうまれ、高齢者や子どもの虐待、家庭基盤の崩壊、犯罪の増加など社会の病理現象が深刻になっています。
小泉内閣の路線を引き継ぐという安倍新内閣の政治がさらに深刻な状況を生み出すことは明らかです。
こうしたなかで市民の暮らしはいっそう深刻さを増しています。堺市では、生活保護率が2005年度末で2.36%、国民健康保険料の滞納世帯は同年度出納閉鎖時で18.81%、就学援助の適用率は同年度の中学校で25.2%と、全国や大阪の他の自治体と比較しても非常に高いものとなっており、市民生活の困窮の広がりが著しいことを示しています。
このようななかで地方自治体は、国の方向に追随するのではなく、憲法と地方自治法の精神にたって、厳しい財政状況のなかでも市民の暮らしのための予算を最優先し、住民福祉を増進させ、市民の安全と健康を守り教育条件をよくするという確固とした姿勢が求められます。そのための財源は不要不急の大規模公共事業を見直すことが避けられません。例えばLRT事業は将来の市全体の交通体系をどうするかという中で位置付け、長期の財政計画のもとで進められるべきものであり、臨海部開発との関連で進めるべきではないと考えます。また堺東の中心市街地活性化政策などの開発については、大規模ビルや大規模商業施設が建設され、広場、道路が整備され、一見してきれいになっても、それがまちに元気を取り戻すことにかならずしもつながりません。地域住民や商業関係者などと連携したまちづくりが必要であるとともに、市財政に大きな負担をもたらすことにならないようにしなければなりません。
また、行財政改革の効果として市職員の人件費削減が大きなウエイトを占めていますが、市民サービスを直接担当する職員の大幅削減は市の公的責任を放棄することにつながりますし、また職員の労働条件の合意なしの切り下げなどは労働意欲を低下させます。こうしたやり方で財源を生み出すべきではありません。
また、平和問題は地方自治体にとってもいよいよ重大になっており、国の問題だとして傍観することは許されません。自衛隊がイラクに派兵されたことは明白な憲法違反ですが、さらに集団的自衛権が今の憲法のもとでも違反ではないとの議論がされ始めるなど、はたして日本は法治国家かといわれるような状況が政府自身によって推し進められています。地方自治体は国の下部機構ではなく、対等の立場にあります。今こそ平和憲法制定の原点にたち、市民とともに平和の声を大きく発信することが求められます。
本市は今年四月に政令指定都市に移行しました。多くの市民は福祉の増進や暮らしやすい堺市にどうつながるのか多くの疑問をもちながら、同時に期待をもって推移を見守っています。
市長は「ひと・まち・暮らしが元気を取り戻す、活気あるまちづくり」を標榜され市政運営をされていますが、市民の期待に応えるためにも、以上の趣旨をご理解いただき、本予算要望書の各項目を2007年度予算にぜひ反映していただきますよう強く要望いたします。
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