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小泉内閣が「構造改革」として進める「新自由主義」経済路線、すなわち大企業の利潤追求を最優先にし、規制緩和と市場経済万能の弱肉強食の経済路線に基づく政治は、日本経済と国民生活の矛盾をあらゆる分野で深刻にしています。雇用と所得の破壊、中小零細企業の倒産・廃業・経営難が進むもとで貧困と社会的格差のあらたな広がりが重大な社会問題になっています。庶民大増税は税負担能力に応じた負担と所得の再分配という税制の民主的原則を根本から破壊しつつあり、また、社会保障は医療、年金、介護、障害者支援で連続的な改悪が進められています。社会保障はほんらい人間らしい暮らしの支えになるべきものですが、それが反対に人間の尊厳を踏みにじるものにされつつあります。こうした国の政治のもとで、「勝ち組・負け組」を当然視し、社会的弱者にたいする攻撃に痛みを感じない風潮がうまれ、高齢者や子どもの虐待、家庭基盤の崩壊、犯罪の増加など社会の病理現象が深刻になっています。
こうしたなかで市民の暮らしはいっそう深刻さを増しています。生活保護世帯は04年度で12,238世帯、自殺者は98年以来6年連続で200人前後を数えています。就学援助の適用は基準が厳しくなったにもかかわらず、04年度で小学校で11,638人、中学校で5,205人と、適用率はともに25%を超えています。児童・生徒の不登校状況は、それぞれ215人(0.46%)、978人(4.69%)と全国平均、大阪府平均よりも高い数値を示しています。国民健康保険料は所得の20%を超える場合もあるほど高すぎて払うに払えず、資格証交付は昨年11月現在で3,368件にのぼり、必要にもかかわらず医療にかかれない現実を生み出しています。
このようななかで、地方自治体とはいかにあるべきかということが厳しく問われています。
それは、国の方向に追随するのではなく、国の悪政に抗し、これまでの開発優先の市政運営を根本的に見直し、憲法と地方自治法の精神にたって、厳しい財政状況のなかでも市民の暮らしのための予算を最優先し、住民福祉を増進させ、市民の安全と健康を守り教育条件をよくするという地方自治体本来の姿に立ち返ることです。
政府のいわゆる三位一体改革は、生活保護費の国の負担割合削減問題に象徴されるように、財源の一部を地方に移すことと引き換えに、国が行うべき福祉や教育の責任を地方に押し付け、住民サービスの水準を大きく引き下げることを押付けるものです。真の地方分権とは全く異にするものであり、これに反対するとともに、住民の生活にねざした各分野の声を大きく地方自治体から国にあげることが求められます。また、政府・総務省は2005年3月に「地方行革推進のための指針」を発表し、地方自治体に5年間の「集中改革プラン」を策定させ、職員の削減、業務の民間委託と民営化など福祉と暮らしのための施策をいっそう切り捨てさせようとしていますが、こうしたことは憲法に規定されているところの住民福祉の機関としての地方自治体の存在そのものを否定するものであり、これに迎合しない自立した姿勢が求められます。
また、平和問題は地方自治体にとっても国民保護条例の制定などいよいよ重大になっており、国の問題だとして傍観することは許されません。イラク戦争は全く大義のない侵略戦争であり、膨大な犠牲者と破壊をもたらし、戦争によってテロをなくすることができないばかりかさらに暴力を拡大させ、将来に亘る恨みを増幅し、問題を複雑にしています。明白な憲法違反により派兵された自衛隊は期限が延長されようとしています。つぎつぎと既成事実が積み重ねられ、そして憲法9条を変え、海外で戦争ができる日本に変えられようとしています。地方自治体は国の下部機構ではなく、対等の立場にあります。今こそ平和憲法制定の原点にたち、市民とともに平和の声を大きく発信することが求められます。
さて、本市は来年四月に政令指定都市になることが決まりました。多くの市民は、そのことが福祉の増進や暮らしやすい堺市にどうつながるのか多くの疑問をもっています。しかし同時に、不安のなかにも期待をもって推移を見守っています。
市長は「ひと・まち・暮らしが元気を取り戻す、活気あるまちづくり」を標榜され市政運営をされていますが、市民の疑問を払拭し、期待に応えるためにも、以上申し上げた趣旨をご理解いただき、本予算要望書の各項目を2006年度予算にぜひ反映していただきますよう強く要望いたします。
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