政府は景気は民間主導で堅調に回復しているとしていますが、早くも7月―9月期のGDP統計でも減速が顕著になっています。大企業の中間決算収益は史上最高の昨年度をさらに上回るペースを記録していますが、一方、労働者の平均給与の対前年伸び率は6年連続でマイナスになっています。中小企業を中心に倒産は依然として高水準で推移しており、完全失業者はいまなお300万人を超えています。特に若年層の雇用の問題は深刻であり完全失業率は21ヶ月連続10%を超えています。政府は870億円のリストラ減税を行うなど大企業のリストラを応援する一方で、医療・年金・介護など社会保障の全分野において改悪を強行し、その負担増が消費を冷え込ませ不況を一層深刻なものにしています。本市内での倒産件数は1996年から2003年までの累計で930件を数え、生活保護受給世帯は1996年度の5876世帯から2003年度は11258世帯へ、国民健康保険の資格証発行は3年前の1129件から今年11月では3368件の3倍へと急増しています。自殺者は200人をこえています。
 政府のいわゆる三位一体改革は税財源移譲のしっかりした保障のないまま、福祉・教育関係が7割を占める国庫補助負担金を3年間で4兆円も削減する一方、地方交付税も財務省案では2年間で7兆円ないし8兆円削減の主張をするなど、住民サービスの水準を大きく引き下げることを地方に押し付けるものであり、地方分権に逆行する内容となっています。
このようなきびしい状況の中で、地方自治体のあり方が鋭く問われています。
地方自治法は地方公共団体の役割を住民の福祉の増進を図ることを基本とするとしています。
 いま堺市に求められることは憲法と地方自治法の精神にたって、これまでの開発優先の市政運営を根本的に見直し、国の方向に追随するのではなく、住民福祉を増進させ、市民の安全と健康を守り教育条件をよくするという地方自治体本来の立場に立ち返ることであります。厳しい財政状況のなかでも市民の暮らしのための予算を最優先することが重要であります。美原町との合併、そして政令市指定を受けるための準備が急ピッチで進められていますが、合併にせよ、政令市移行にせよ、住民福祉の増進という地方自治体の果たすべき目的が達成されるよう行財政運営がなされなければなりません。
 また、平和問題に対して自治体がどういう姿勢をもつべきかが厳しく問われています。イラク戦争はテロや大量破壊兵器をなくするためという大義が全く失われ、侵略戦争であることが明白になっています。ファルージャへの攻撃は混迷の度をいっそう強めています。明白な憲法違反である自衛隊のイラク派兵は国策により戦後初めて外国人を殺し自衛隊員の犠牲もでる状況をつくりだしています。国のことだとして傍観するのではなく、市民とともにイラクから自衛隊の撤退を求めるなど平和の声を大きく発信することが求められています。
 市長は「ひと・まち・くらしが元気を取り戻す、活気あるまちづくり」を標榜されていますが、それは以上申し上げた立場で市政運営にあたられてこそ実現できるものであると思います。
 2005年度予算に本予算要望書の各項目をぜひ反映していただきますよう強く要望いたします。

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