report 議会報告
堺市議会速報
2007年2月9日 868号

「堺市非核・平和無防備地域実現のための条例」(案)について(下)




 

 (2)次に、現在の国際的状況と日本の現状に照らして、どのような平和運動が求められ ているかと言うことです。
 人類の20世紀は二度の世界大戦をくぐり抜けました。今も3万発以上の核兵器が存在しています。万が一核兵器を使った世界大戦が起これば地球自体が破壊され、人類は滅亡するでしょう。
 国連憲章の第1号決議が核兵器の廃絶となっていることはその故であります。
 核世界大戦はもちろん、何としても戦争を繰り返してはならないのです。戦争を起こさせない運動が必要なのです。
 イラクの現状はそのことを切実に求めています。
 日本国憲法はたび重なる解釈改憲がなされ、今や自衛隊が、イラクに派兵される状況になっています。しかし、国の名によって外国人を一人も殺さず、自衛隊員がいまのところ一人も殺されていないのは、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」とする明確な文章の第9条があるからです。
しかしこの憲法を変えようとする動きが急であります。こともあろうに、憲法99条の規定によりこの憲法を尊重し擁護する義務を最も負う総理大臣が先頭にたって憲法改悪を叫んでいます。
 主権者たる国民が、その権力の行使を憲法の範囲内で委ねた最高政治権力者が逆に国民を縛るものとしての憲法につくり変えようとしていることであり、言語道断だといわなければなりません。憲法改悪のねらいは自衛のためでは決してありません。
 それは日本を戦争をする国につくり変え、アメリカの先制攻撃の戦争に参加できるようにすることにあります。憲法の改悪を絶対に許してはならないのです。


 

  世界では、憲法9条の評価が高まっています。例えば2005年7月ニューヨークの国連本部で世界118ヵ国のNGO団体が参加して行われたGPPAC「武力紛争予防のためのパートナーシップ国際会議」が採択した世界行動宣言では、『世界には規範的・法的誓約が地域の安定を促進し、信頼を増進させるための重要な役割を果たしている地域がある。例えば、日本国憲法9条は、紛争解決の手段としての戦争を放棄するとともに、その目的で戦力の保持を放棄している。これは、アジア太平洋地域全体の集団的安全保障の土台となってきた』このように第9条を平和の土台として評価しています。
 また、2005年パリで行われた国際民主法律家協会の16回大会決議では、「日本国憲法第9条についての決議」で、『21世紀に戦争のない世界をつくりあげることは人類の悲願である。

 それゆえ第9条は、人類の希望の原理を指し示している、人類の宝と言っても過言ではない。人類の宝を破壊することは許されない』このように謳っています。
 このように憲法9条の評価とともに、国連憲章に基づく平和の国際秩序を目指す地球規模での運動の大きな高まりがあります。そして、アメリカを中心とする軍事同盟体制の多くが解体、機能不全、弱体化に陥り、それにかわって仮想敵国を持たない平和の地域共同体が広がるという世界の大きな変化があります。


  戦後日本国民は、戦争放棄と軍備禁止という恒久平和主義を極限まで進めた道に世界に先駆けて踏み出すことで日本が再び戦争する国にはならないという不戦の誓いとともに、この平和主義によって国際的に名誉ある地位を占めたいと決意し、この憲法を確定しました。戦後60年、国際政治、国際世論は日本国憲法9条の掲げた理想を現実化しようとする方向に近づいてきました。
 重ねて申し上げたいと思います。
 現在の国際的状況と日本の現状に照らして今大事なことは、憲法を変えようとする動きに対して、憲法9条改悪を許さない国民の世論と運動を大きく広げることです。国会議員の多くが発議しても、国民多数が反対と言えば改憲はできません。
 海外で戦争する国づくりという改憲の本質が伝われば、国民多数の結集は可能です。
 そのことに確信を持って、9条を守る運動を発展させることが必要と考えます。そのことが戦争を許さないことに結びつくと考えます。


 (3)本条例案(提案された案)は、最初に述べましたように、その中心はジュネーブ諸条約追加議定書の59条を根拠とし、そこに規定されている無防備地区を具体化するものとして提案されており、戦争になったときに堺市がどうするかということです。
 条例案には第3条第1項や第4条のように、平時において堺市に平和への取組みを求める規定もあります。そのこと自体は当然です。
 しかし、それも無防備地域宣言という本条例の核心部分と一体のものとしての規定であります。
 攻められたら抵抗しないという主張、戦争非協力の主張は個人的なレベルでは良心的であり一つの見識です。しかし、無防備地域宣言という考え方を自治体が条例に定めて日常の業務とすることは適当ではなく、日本共産党は国民と住民に責任を負う政党として本条例に賛同することはできません。
 私ども日本共産党の戦前の先輩たちの活動は、国民を戦争に導いた勢力とのまさに命をかけた不屈の反戦の闘いの歴史でありました。朝鮮併合反対、中国侵略反対、軍隊の中にも反戦組織をつくるなど、生死をかけた闘いを行いました。治安維持法によって捕われ、拷問を受け、小林多喜二のように殺される人も多数ありました。刑務所に囚われ、獄死した人もたくさんいます。しかし、戦争反対の旗はおろしませんでした。
 私どもは、こうした名誉ある歴史を引き継いで憲法改悪を許さず、反戦平和のために全力をあげることをあらためて表明をするものであります。
 平和運動はいろいろな形で行なわれていますが、意見の違いを互いに認め合いながらも、一致点に基づき共同で運動を進めることは可能だと考えています。日本共産党は、引き続き多くの市民の皆さんと一緒に平和を求める運動に取り組んでいく決意です。
 本条例(案)制定の運動に参加された方の、また署名をなされた多くの市民の皆さんの平和を求める思いは十分を受けとめますが、本条例案には賛成できないことを表明して意見といたします。

(以 上)


「予算議会」(2・3月議会)は、2月20日から3月16日までです



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