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政令市は大都市特有の課題に対応する制度として、一定の合理性を持ってはいるが・・・
堺市が政令市になれば、市民の暮らしはどうなるのかなど、明らかにしないまま、来年4月は時期尚早
市民の理解も得ず、市民を置き去りに「政令市移行先にありき」ですすめるべきではない
よってわが党は、「意見書」を採択すべきでないと考える。賛否については態度を保留する
3月30日の市議会本会議で、与党会派議員を中心に議員提出議案として提案された「堺市の政令指定都市の実現に関する意見書」について、日本共産党議員団を代表しておこなった「討論」の全文を掲載します。(中見出しは、後で付けたものです)
日本共産党の「政令市」に対する基本的な考え方
私は、議題となっております議員提出議案第16号「堺市の政令指定都市の実現に関する意見書」について日本共産党堺市議会議員団を代表して簡潔に討論を行います。
まず、政令指定都市制度に対する基本的な考え方であります。
この制度は、もともと都市化によって人口が集中することにより様々な大都市特有の課題が発生することに対応するため設けられた制度であり、大都市特有の行政需要に応えるものとして一定の合理性をもったものであると考えています。本市は高度経済成長時代、臨海重化学コンビナートと泉北ニュウタウンの造成などで人口を大きく増加させ、100万人構想を打ち出し、政令市移行をめざしてきました。1986年には人口が81万8千人に達し、この間支所庁舎が建設されるなど条件整備が進められるなか、1993年12月議会において「堺市の政令指定都市移行実現に関する要望決議」が全会一致で議決されました。
わが党が賛成したのはこの基本的立場からであります。
しかし一方、この政令市制度が多くの問題点を抱えており、とにもかくにも早期に移行する方が良いとする政令市バラ色論の立場にたつものではありません。
今回の「政令市」移行は、国の誘導策で
美原町との合併によってできた条件によるもの
合併もそうであったように、住民置き去りで
今回の政令市移行問題は人口増加傾向のなか大都市特有の課題に対応するために政令市移行が必要となったものではなく、国の誘導策により美原町との合併によって現実化したものであります。合併では住民の意思を問わないという民主主義の基本をはずれた手法をとったわけですが、政令市移行の問題でも住民の理解と納得が得られないまま、住民を置き去りにして進めるべきではありません。
市は「政令市」をバラ色に描き出しているが
国道や府道の維持・管理に係る財源保障は
建設費などの借金はどうなるのかなども明らかにされないまま
堺市の市民に向けてのパンフレットには、政令市のメリットとして財政的に豊かなまちづくりが可能としていますが、政令市移行の一番大きな移譲事務である国道、府道の維持管理業務については必要な財源措置がなされていないなど、石油ガス譲与税や宝くじ販売収益金など他の税源の増加があるとしても、決して宣伝されるような豊かになるとするメリット論は妥当ではありません。当局が明らかにされませんのではっきりとはいたしませんが、場合によれば政令市の方が財政的に不利かも知れません。さらに大阪府の道路建設のための債務、府債がどれだけ押し付けられるのか全く明らかにされていないことなども指摘しておかなければなりません。
区役所の設置で、住民にとってきめ細かな
行政サービスができるのか?
また、区役所の設置で身近できめ細かな行政サービスができるようになるとしていますが現在の支所制度と大きく変わるものはありません。むしろ、区独自に街づくりができ地域の自治の拠点として機能するだけの充分な区長権限や予算の裏付けといったことの保障がなければ、企画立案という市の方向を定める枢要部署が本庁にあることから、細かいことはともかく、市民の肝心の意見が反映しなくなることが予想されます。しかしこうしたこともどのようになるのか全く明らかにされず、市民にとって具体的なメリットはどう云うことか解かりません。
政令市のビジョンづくりはこれから
そんな段階で、期日だけ先行では市民の
合意が得られるでしょうか?
市長は予算説明のなかで政令市のビジョンづくりをこれからするとの予算を組まれた訳でありますが、政令市になろうとするとき、現行の中核市制度のなかでの改善するべき課題を明らかにして、それを政令市という制度を採ることによりどのように改善していくのかを具体的に明らかにして、そして政令市になればサービスや負担がどうなるのか、という市民の疑問に答えながら市民的合意を得ることが先決ではないでしょうか。
市民の願いは「政令市」になることが目的でなく
「住みよいまち」にしていくこと
大規模開発優先や弱者いじめの「行革」の推進ではありません
市民生活は一層厳しさを増しています。
市民の願いは、政令市になることが目的ではなく、移行することにより住みやすくなるのかどうかであります。木原市長は、堺市が元気になるためには、まちの構造改革がひつようだとして、中心市街地である堺東地域の再開発や地域拠点開発、なによりも臨海部新都心開発と、まちの横軸をつくるとしての東西鉄軌道・LRT建設を掲げ、政令市移行をそれらを推進するための大きなバネにしています。行財政改革を強力に進め、その中に市民サービスに直接携わる職員の削減や、生活弱者への支援の削減を盛り込み、そこで生み出した財源を政策枠予算とし、平成17年度は108億円を重要政策課題に計上しています。こうした街の構造改革政策は財政をより厳しくすることは確実であり、そのことが市民へのさらなる負担増加になるのではないかと市民は恐れています。政令市という制度論と直接関係がないとしても、自らの現実の生活を守ることと政令市移行によりどうなるかを結び付けて考えざるを得ないのが現在の市民の思いであります。
政令市移行を求める「意見書」の議決は時期尚早
そうした市民の思いのなかで来年4月を期日として政令市移行を求める意見書を議決するというのは時期尚早であります。
最初にも述べましたように、この制度は大都市制度として一定の合理性があります。現行の地方自治制度のなかで最も地方分権が保障された制度であると云うことへの評価は別にして、大都市特有の行政需要に対してより多くの権限と財源の移譲を受け、それを自主的に活用して堺市独自の判断と意思決定をしながら市民福祉の増大にどうつなげていくかが問題なのであります。しかし、いずれにしても合併問題で住民の意思を問わなかったことに引き続き、「政令市移行さきにありき」のかたちで市民をおいてきぼりにして進めるべきではありません。
さらに、国が三位一体改革として地方への税財源を削減することを進めるなかで、政令市移行が議論されており、そういうなかで住民の暮らしと安全を守る役割を果すためには政令市制度をどう活用できるのか、厳しく見ることも求められています。
以上のことを総合的に判断すれば
来年4月と期日まできっての「意見書」の採択はすべきでない
現時点では、賛否の態度は保留し、採決には加わらない
以上のことを総合的に判断をすれば、今の時点で来年4月を期日として政令市移行を求める意見書を採択するべきでないと考えます。従って、賛否については態度を保留するとともに、採決には加わらないことを申し上げて日本共産党の意見といたします。
(以上)
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