report 議会報告
堺市議会速報
2004年9月13日 784号

いぬい議員が代表質問(2)



全国の多くの自治体首長が悲鳴と怒り
小泉「三位一体改革」に批判の声が

 政府は当初、「三位一体改革」について、地方分権の精神にもとづいて、地方の問題(事業)は、地方が自主的に決定し、自己の責任ですすめてもらう。そのための財源は、地方が自主的に使える財源を拡充ていくために、国庫補助金などは削減するが、それに見合った「税源の移譲」をおこなうというふれ込みで打ち出されました。
 ですから、はじめは多くの自治体から期待の声が寄せられていました。
 ところが、「改革」なるものがはじまってみると(本年度から)3年間で約4兆円もの国庫補助負担金の削減の第一歩として、福祉や教育などへの補助負担金が約1兆円削減され、一方で約束であった「税源移譲」は4500億円にとどまったうえ、地方交付税も1兆2000億円削減されてしまいました。
 地方自治体の期待を無視した政府のやり方に、政治的立場のちがいをこえて強い批判と怒りの声が広がっています。

堺市でも、交付税や臨時財政対策債等で
前年ベース51億円の影響が

 今年度からはじまった政府の「改革」で、各自治体とも、深刻な影響を受けました。
 その結果、基金の取り崩しや他会計からの借り入れなど綱渡り的な財政運営を余儀なくされた自治体も多く、自治体独自の施策を中止したり延期するところもありました。
 さらに、住民のくらしを守るべき自治体で公共料金の引上げなど市民生活へのしわ寄せがすすめられようとしているところもでてきています。
 堺市への影響も大変なものです。
 前年度ベースで交付税などで51億円もの影響がでています。
 そこで、乾議員は次の3点について市長に質問しました。
 (1)政府がすすめる「三位一体改革」についてどう考えているか。(2)04年度予算で削減された国庫補助負担金や地方交付税の総額とその結果、後回しにせざるをえなくなった事業の主なものは。(3)05年度以降の影響をどうみているか。また、教育・福祉・生活環境の整備や住民サービスの維持・向上をどのように図っていこうと考えているのかをたずねました。
 質問に対し市長は、「国庫補助金の廃止に伴う本格的な税源移譲の先送りなど、国の財政再建が優先され、地方財政に大きな影響を及ぼす結果となっている」と答えましたが影響額そのものについてはハッキリ言わず、「今後もあらゆる機会を通じて、本市の財政運営に支障が生じる改革とならないよう国に働きかけていきます」と答えるにとどまりました。

堺市が財源確保で努力したのは
弱者いじめの行財政改革のスピードアップ

 また、その影響で後回しにせざるをえなくなった事業については、「行財政改革のスピードアップに取り組むことで、145億円の見直し効果をあげることににより、市民生活に直接かかわる経費については、精一杯の予算を確保」してきたと答えました。
 市が自慢する「行財政改革のスピードアップ」の中には、今年度から始めた、障害者への給付金の廃止や、難病患者見舞金の廃止、職員の大幅な削減などが含まれており、市民のくらしや住民サービスに大きな影響を与えるもので、市民生活にかかわる予算は確保したなどといえるものではありません。
 小泉「三位一体改革」がすすめばすすむほど堺市の財政も大きな打撃を受けることになり、市民のくらしにも堺市の経済にも大きな影響が出てくることは明らかです。
 乾議員は、その影響を市民犠牲で薄らいでいくというやり方ではなく、国に対して本来のあるべき「三位一体の改革」を強く求めていくことと、市民犠牲、とりわけ社会的弱者への施策の切り捨てなどをすすめる「行財政改革」のスピードアップではなく、事業の見直しというのなら、市民生活を守りぬく決意の上に立ち、勇断をもって大規模開発事業などムダと急を要さない事業の中止を含めた見直しをしていくよう強く求めました。

府下の自治体首長の声や影響

■大阪府知事
昨年末に、急に12%もの交付税などがカットされるという、地方自治体の声を無視したやり方に「怒りに近い思いをもっている」と批判。

■河内長野市長
「三位一体の改革」が地方の実情をふまえることなく、単に国の財政事情のしわ寄せや政治的な道具とされるならば、各自治体の地方分権の推進や行財政改革の努力に水をさすばかりか、市民サービスにも重大な影響を及ぼすことは必死。

■門真市長
十分な財源移譲がなされないままの「三位一体改革」は、地方にもこれまで以上の負担と責任が生じることになる。

■豊中市長
今回の地方財政対策は、地方財政に大きな負担を転嫁する内容となっている。

■岸和田市長
「三位一体改革」は、国の財政再建のためだけの手段であってはならず、国は地方ともども立ち行く方途を講ずべきである。

■和泉市への影響
「三位一体改革」の影響額は、13億円といわれている。 予定していた小中学校の大規模改修や地震対策、プールやトイレの改修などの事業を、後回しにせざるをえなくなったという。








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